+名前+
現代生命科学
+対象+
大学教養レベルの生命科学が出来る人
+詳細+
いくら良質な参考書を揃えても対応しにくい問題があるのはご存じですか?それは、比較的最近発見された研究に基いた知識問題です。実は、参考書で紹介されている知識は10年前に最新だったとされる基礎知識がほとんどなのです。これは、私がもともと在籍してきた学部の助教が言っていました。参考書に載る知識は、「この発見は十分議論した結果正しいといえるだろう」と言われるものばかりです。確かにすぐに載せちゃったら、ST◯P細胞問題とかに対応しなくてはならず大変ですよね(^_^;)。ある程度正確性が確保されている知識が参考書に載るわけです。
しかし、医学部の編入試験では、一般的な参考書で得られるような知識よりも、もっと新しい知識を聞かれる可能性があります。つまり、最新に近い基礎医学系研究の知識を仕入れる必要があるわけです。ネットで探すのも良いですが、書籍化されている方が信用できます。
今回紹介している「現代生命科学」では、比較的最近の基礎医学研究の知識がわかりやすく解説してあります。例えば、かなり最近出てきたCRISPR-Cas9についても解説してあります。また、技術系知識のみならず、生命倫理系の知識についても解説してあるため、医学部の編入・再受験対策にピッタリの一冊だと思います。
価格も2800円+税なので、雑誌にしては高いですが、一般的な参考書と同等くらいです。ニュートンなどの雑誌に比べて生命科学に絞って書いてあるので、必要な知識が効率よく得られます。特に独学で勉強する際には、塾で新しい知識を得るわけにもいかないので、貴重な一冊になるでしょう。
+注意点+
ここで紹介されている知識は比較的簡素・簡潔であるため、しっかりした参考書から得られる知識と比べると若干物足りないです。もともと知識がある人が、最新の知識を仕入れるために使うべき書籍なので、生命科学の知識が全く無い方は、まず別の参考書で土台を作りましょう。
+使い方の例+
- 基本的に全部読みましょう。ただし、7章の「私たちの食と健康の関係」、9章の「環境と生物はどのようにかかわるか」はやらなくてもいいと思います。
- 自分でチェック問題を作って確認しましょう。こういう新しい研究に基づく知識は、問題集が出ていないことがほとんどなので、自分でチェック問題を作らなければいけません。
一応私が作ったアウトプットシートを貼っておきます。ただし、私が自分自身に必要だと思ったところしか書いてないので、完成度は保証しません。使用は自己責任となりますが、もしよろしければ使ってください。
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7章の「私たちの食と健康の関係」、9章の「環境と生物はどのようにかかわるか」は、とても重要です。21世紀の医学の基礎となるものです。分子のシステムネットワークだけわかればよいというものではありません。